巨人の島へ

第1話

99年10月5日

 JR始発(AM4:50)にて出発。天候は曇り、少し肌寒い。空港バスに乗り換え伊丹空港(大阪国際空港)へ。チェックインカウンターにて手続きを済ませた後、スターバックスコーヒーにて高い朝食を摂る。

 ずっと考えていたことがある。モアイに出会って何も感じなければどうしようか。ここのところずっと頭の中にあった。メキシコのチチェンイッツァ、テオティワカン、ペルーのナスカの地上絵、マチュピチュ、エジプトのピラミッド、モンゴルの大平原・・・。行きたいところは山ほどあり、その中でも一番現実味がなかったイースター島へ行くことになったのはいろんな偶然が重なり合った結果だ。その幸運と幸せは実を結ぶのだろうか。

 AM8:00ちょうど発の全日空76便に乗りこみ成田へ。平日の朝の国内線というものはやはりビジネスマンが多い。日本をまたにかけるのかそれとも世界をまたにかけるのか、くだらないことを考えながらドリンクを飲み干す。全日空のこのタイプの機体はエコノミーでも各シートごとに液晶ディスプレイが装備され、手元のリモコン自体がスーパーファミコンのコントローラーの役目を果たす。色めき立ったわれわれはすぐさまゲームを開始しようとするが画面には何も映らず。「きっとシートベルト着用サインが消えてからなんだ」と納得し待ってみるもののやはり使えず。結局最後まで映像が映ることはなかった。国内線ってそういうものなんだろうか。飛行機に乗りなれないわれわれの認識不足か。

 預けた荷物を受け取るともう時間は9:30。ツアーの集合時間は成田第1ターミナルに9:00のはずだがそんなの知ったこっちゃない。というか添乗員がいるわけでもないからどうにでもなるのだ。まぁそれ以前にこの国内線のチケットも旅行会社が取ったものだし、こんな時間になるのも承知の上であるはず。
 到着したのは第2ターミナルなので乗り継ぎのバスに乗り第1ターミナルへ。たどり着くともう10:00をまわっている。JCBデスクにもKDDデスクにも銀行にも行きたかったが仕方なくツアーカウンターへ。「出国手続きは時間がないので割り込ませてもらってください。それとビジネスクラスなのでラウンジのチケットが出ておりますがもう時間がありませんので」。ビジネスクラスなのには訳がある。旅行会社の手違いにより飛行機のチケット(今乗ろうとしている分)が取れず日程を1日早めてニュージーランドのオークランド経由に変更になったのだが、後にまたもとの便に戻ったお詫びらしい。ともかく時間がないものの長蛇の列に割り込むなんて勇気のないわれわれは、素直に列の後ろに並び出国手続きの順番を待った。手続きを終えるとトイレだけ済ませ、サンオイルとミネラルウォーターを買うともはや搭乗の最終案内のアナウンスが。

 ところで今回の旅に持っていったもので役に立ったものとして「ペットボトルホルダー」がる。そう、あの500mlのペットボトルを首からぶら下げるようにできるものだ。いまさらこんな格好をしてうろうろしてると笑われそうだが、水のよくない国やハイキングなどが日程に含まれている場合は一つあると便利だ。東急ハンズで\1、200で購入。

 今回乗りこむ飛行機はタヒチ・ヌイ航空77便。成田とタヒチのパペーテを結ぶ唯一の航空会社(?)。やはりビジネスクラスはひと味もふた味も違う。電動で動く足置き、座席の横からニョキッとはえる液晶ディスプレイ。残念ながら今度はゲーム機を内蔵してなかったが、MALは邦画を1本、U-wiは洋画を2本満喫した。座席の広さも感動ものである。更に食事も豪華。そうか、やはりビジネスクラスってこんなにいいもんだったんだと初めて認識。普段からビジネスクラスやファーストクラスに乗りなれてる方にとっては当然のことでもわれわれのような初体験の人間にとってはかなり衝撃的だった。 定刻AM11:00をわずかに過ぎて無事離陸。11時間10分のたびを終え、パペーテのファアア空港につくとまだ10/5のAM3:00。日付変更線を越え、時差は日本より19時間遅れ。かなり暑い。

 現地の係員である「TAHITI NUI TRAVEL」の日本人係員にバンに乗せられホテルへと向かう。この車にはわれわれ以外に2カップル+女性1名が乗りこんでいた(すべて日本人)。われわれの泊まるホテルはパペーテの中心街にある「PRINCE HINOI」。ポマレ大通りに面し、すぐ目の前が港という立地条件は一見便利なようにも感じる。しかし実状は反対。
 いや、確かに何かと便はよい。しかしまずホテル自体がお世辞にも綺麗とはいえない。ほんとに「泊まるだけ、しかもお湯が出るだけラッキー」という感じである。このホテルには都合3回訪れることになるのだが最初に泊まったこのときはシーツが冷たかった。やたら湿気てたのだ。また、ドアの鍵の開け方が難しい。慣れれば簡単なのだが最初はわれわれも車の中で一緒だった一人旅の女性も開け方がわからず、仕方なくロビーにいっておばさんを呼んでくる羽目に。さらにエコル通り側の部屋(多分偶数部屋番号)はディスコに面しており朝方まで非常にやかましい。また、ホテルから少し行ったところにはオカマ街が広がっているらしい。ともかく、朝まで寝ようと思い冷たいシーツに我慢しながら眠りにつく。もうすでにAM5:00。

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